武豊騎手が5年7か月ぶりの騎乗停止処分を受ける

馬

本日1月13日の中京競馬11Rシンザン記念(G3)で、タイセイカレント号騎乗の武豊騎手が直線で斜行したとして、騎乗停止の制裁を受けました。

これで武豊騎手は1月25日から2月2日までの9日間(開催4日間)の騎乗停止となり、1月26日のプロキオンS(G3)でコンビを組む予定だったサンライズジパングには乗ることができなくなりました。

最後の直線コースで、2番タイセイカレントが外側に斜行したため、13番レーヴブリリアント、14番アーリントンロウ、10番ゴールデンカイトおよび11番メイショウツヨキの進路が狭くなりました。
この件について、2番タイセイカレントの騎手武豊を2025年1月25日(土)から2025年2月2日(日)まで9日間(開催日4日間を含む)の騎乗停止としました。

中京11Rの裁決レポートより引用

なお降着や失格はありませんでした。

武豊騎手の騎乗停止は5年7か月ぶり

武豊騎手の騎乗停止は、実に5年7か月ぶりです。若い頃はそこそこ騎乗停止の制裁を受けていたイメージでしたが、最近はめっきり数が減っていたようです。

その5年7か月前の事象はどのような内容だったのかというと、2019年6月の安田記念(GI)でロジクライに騎乗した際に、スタート後に斜行したというものでした。

そのときは騎乗停止期間は1日間でしたし、同じ騎乗停止でも今回とは全く違う内容ですね。

今回はインに閉じ込められてスパートがかけられないことに焦ったのか、強引に外のレーヴブリリアントをはじき飛ばしました。そして、その余波で後ろにいたアーリントンロウ、ゴールデンカイト、メイショウツヨキが影響を受けました。

昨年のルメール騎手による、NHKマイルカップやエリザベス女王杯における制裁と比較する話がありますが、それとも全く違うケースだったと言えるでしょう。

個人的に思い出深い騎乗停止

騎乗停止は騎手にとってはネガティブなできごとなので「思い出深い」というのは失礼かもしれませんが、個人的に思い出深い騎乗停止があります。

それは2021年12月25日に起きた、横山武史騎手の騎乗停止です。

その日の中山5Rの新馬戦で、横山武史騎手はヴァンガーズハートという馬に乗りました。

道中は5番手あたりの好位につけ、4角では3番手まで手応え良く進出したヴァンガーズハート。直線の残り200mあたりで先頭に立ち、他馬と差をつけます。

左後ろを振り返った横山武史騎手は、そこからはもう逆転されないと考えたのか、ゴール板までしっかり追わずに若干緩める動作をします。その結果、インから強襲した戸崎騎手騎乗のルージュエヴァイユにハナ差かわされ2着になります。

いわゆる「油断騎乗」です。

騎乗停止は少しの猶予が与えられるのが普通ですが、油断騎乗では、過去に即日または翌日から乗れなくなるケースもあり、競馬界隈はかなりざわつきました。

というのも、横山武史騎手は翌日の有馬記念で、その年の皐月賞と天皇賞(秋)を制したエフフォーリアに騎乗予定だったからです。

エフフォーリアは1番人気想定だったので、もし翌日の有馬記念に横山武史騎手が乗れなくなったら直前の乗り替わりということになり、影響は必至と多くのファンは考えたと思います。

しかし油断騎乗についても現在は猶予があるのか、制裁内容は翌年の2022年1月15日から16日までの2日間の騎乗停止というものでした。

エフフォーリアと横山武史騎手のファンはそっと胸をなでおろしたことと思います。かくいう私も、そのコンビのファンだったので安心した1人です。

そして翌日、このコンビが無事に有馬記念を制しましたが、そのウイニングランで横山武史騎手は前代未聞の行動にでます。

それは馬上でのお辞儀です。

馬上での敬礼は、天皇陛下が臨場される天覧競馬においてはよく見られますが、このときのお辞儀は関係者やファンに対する、前日の油断騎乗についての謝罪でした。その点も含めて思い出深いものでした。

ちなみにヴァンガーズハートはエフフォーリアの半弟であり、このレースで1着だったルージュエヴァイユは後にエリザベス女王杯2着という活躍をします。

ルージュエヴァイユは末脚自慢の馬でしたが、まだ新馬戦でそんなこともわからない状態でしたし、そんな馬が注意していた外(左後ろ)ではなく、内(右後ろ)から差してくれるとは思わなかったのでしょうね。

普通は勝ちを確信するシーンではあるので、個人的には情状酌量の余地はあったのかなと思います。

競馬

Posted by モル