「黎明期」の意味と読み方とは?次の”期”や英語表現とあわせて解説

黎明期のイメージ

黎明期」という言葉を聞いたことはあるけど、意味や読み方がイマイチわからないという人は多いかもしれません。

「黎明期」は「新しい時代や文化などが始まろうとする時期」という意味を持つ言葉です。読み方は「れいめいき」が正しく、「そうめいき」は間違いです。

また、「黎明期」の次に来るのは「成長期」「発展期」で、さらに進むと「成熟期」「全盛期」になり、最後には「衰退期」をむかえます。

ここでは「黎明期」の意味と読み方、使い方、類語や対義語、英語表現のほか「黎明期」の次にくる”期”について説明します。

「黎明期」の意味

「黎明期」の意味 : 新しい時代や文化などが始まろうとする時期
「黎明期」の読み方 : れいめいき

まずは意味と読み方について、文字の成り立ち、類語などから読み解きます。以下に、それぞれ詳しく説明します。

「黎明期」の意味は新しい時代や文化などが始まろうとする時期

「黎明期」の意味は、冒頭でも説明したとおり「新しい時代や文化などが始まろうとする時期」です。

物事がハッキリとした形を成す前の、いわゆる「明け方」「夜明け」にあたる時期。それを表した言葉がこの「黎明期」です。

この単語を構成する「黎」には「暗い」、「明」には「明るい」という意味があり、まさに暗い夜からお日様が出てくる明るい朝へと移っていく段階を表現しています。

「黎明期」の読み方は「れいめいき」で「そうめいき」は間違い

「黎明期」の読み方は「れいめいき」です。

よく「そうめいき」と読んでしまう人がいますが、それは間違い

「黎明期」の類語には「草創期」(そうそうき)「創成期」(そうせいき)などがありますので、それらの言葉のイメージが影響しているのかもしれませんね。

「黎明期」の次は「成長期」

「黎明期」は物事が始まる時期を意味しているので、当然、その次の段階があります。

黎明期」の次に来るのは「成長期」(せいちょうき)で、同じステージには「発展期」(はってんき)という言葉もあります。

それぞれ「育ち大きくなること」「勢いや力がひろがり大きくなること」という意味です。

「成長期」の次に来るのは「成熟期」(せいじゅくき)「全盛期」(ぜんせいき)です。「最も発達して、盛んな状態にある時期」という意味ですね。スポーツ選手などについて使われることもあります。

「成熟期」の次に来るのは「衰退期」(すいたいき)です。意味は「勢いが衰えていく時期」です。

このようにして、何事も始まりから成長、成長から成熟、そして衰退という過程をたどります。

そう考えると「黎明期」には気持ちがワクワクさせられるイメージがある一方で、始まるからには終わりがくるということで、なんとなく寂しい印象も抱いてしまいますね。

「黎明期」の使い方と例文

使い方

「黎明期」の使い方としては、別の単語のあとに付け加える方法が一般的です。

例えば、インターネットが始まりつつあった時期を「インターネット黎明期」や「インターネットの黎明期」というように表現します。

上記のように、”後で振り返って”使用する場合もあれば、”いま現在始まろうとしている”ときにも使えます。後者の例で言えば、「仮想通貨の黎明期」が当てはまりそうですね。

以下、例文です。

  • インターネット黎明期には、多くのテキストサイトが存在した。
  • いまの時代は、仮想通貨の黎明期と言えるかもしれない。
  • プロ野球の黎明期に活躍した選手で存命の方は、少なくなった。

「黎明期」の類語

調査

「黎明期」には以下のような類語があります。

  • 萌芽期(ほうがき)
  • 導入期(どうにゅうき)
  • 草創期(そうそうき)
  • 創成期(そうせいき)
  • 初期(しょき)

どの言葉もほとんど同じ意味で使われており、”時期”についてはあまり違いがありません。

しかし、「黎明期」が「時代や文化」の始まりに使うのに対して、ほかの言葉は別の物事について使うケースがあります。また、別の意味を含む場合もあるので、それによって使い分けると良いでしょう。

「萌芽期」の意味と読み方

「萌芽期」は「物事の始めの時期」「植物が芽を出す時期」という意味で、読み方は「ほうがき」です。

「萌芽期」は「黎明期」とまったく同じ意味と考えて良いです。

「導入期」の意味と読み方

「導入期」は、ある製品の市場の発達を時間と売上高であらわす「製品ライフサイクル」の最初の段階のことで、読み方は「どうにゅうき」です。

意味の説明でわかるように、「黎明期」に似ているようで、実はまったく違うものですね。

「草創期」の意味と読み方

「草創期」は「物事の始まりの時期」という意味で、読み方は「そうそうき」です。

「黎明期」が時代や文化について使うのに対して、「草創期」はビジネスや団体などに使います

例えば、「わが社の草創期」「プロ野球の草創期」というような使い方をします。「プロ野球の草創期」は「プロ野球の黎明期」と言い換えることも可能であり、かぶる部分もあることがわかります。

「創成期」の意味と読み方

「創成期」は「物事が初めて成立した頃の時期」という意味で、読み方は「そうせいき」です。意味も読み方も同じ「創生期」という表現もあります。

「草創期」と同じように会社や事業が始まったときを指して使われたり、プロスポーツなど団体が作られたときなどに使われたりします。

「初期」の意味と読み方

「初期」は「始まり」を最もシンプルにあらわした言葉です。読み方はもちろん「しょき」です。

このように、「黎明期」には多くの類語があります。少しややこしいですが、完全に言い換え可能なケースもありますので、口で言ってみて最もしっくりくる言葉を選ぶというのも良いと思います。

「黎明期」の対義語

女性

「黎明期」の対義語には、以下のものがあります。

  • 衰退期(すいたいき)
  • 斜陽期(しゃようき)
  • 薄暮(はくぼ)

「衰退期」は「勢いが衰えていく時期」「製品ライフサイクルの最終段階」という意味があります。読み方は「すいたいき」です。

「黎明期」が始まりつつある時期であるのに対して、「衰退期」は終わりつつある時期をあらわします。

「斜陽期」は「没落しつつある時期」「夕日」という意味があります。読み方は「しゃようき」です。夕日なので、夜明けをあらわす「黎明期」とは反対の意味を持っているということがわかりますね。

どちらかというと、世の中の変化などによって没落していく産業を意味する「斜陽産業」のほうが耳なじみがあるかもしれません。

「薄暮」は「ゆうぐれ、たそがれ」という意味の言葉です。これも「斜陽期」と同じく、夕暮れや夕日という意味から転じて、物事の終わりの段階を指す言葉として使われています。

「黎明期」の英語表現と例文

英語圏の男性のイメージ

「黎明期」の英語表現には、以下のものがあります。

  • dawn
  • early days

例えば「インターネット黎明期」は英語で「the dawn of the Internet」、「仮想通貨の黎明期」は英語で「the early days of Cryptocurrency」と表現します。

それぞれ前置詞が違い、「the dawn of」を使う場合は「at」、「the early days of」を使う場合は「in」を前に置きます。

例えば「インターネット黎明期”に”」は「at the dawn of the Internet」、「仮想通貨の黎明期”に”」は「in the early days of Cryptocurrency」です。

ちなみに「ゾンビ」という映画がありますが、原題は「Dawn of the Dead」で、直訳すると「死者の夜明け」となります。

以下、例文です。

  • In the early days of the Internet there were many simple websites.(インターネット黎明期にはシンプルなサイトが多かった。)
  • It can be said that it is the dawn of the cryptocurrency now.(いまは仮想通貨の黎明期と言える。)

まとめ

「黎明期」の意味は「新しい時代や文化が始まりつつある時期」で、読み方は「れいめいき」です。

「黎明期」の類語には同じ時期をあらわす「萌芽期」「草創期」などがあり、その次に来るのは「成長期」です。そして「成熟期」を経て、「黎明期」の対義語である「衰退期」に入ります。

これらの類語や対義語を知ることで、表現の幅をひろげることができます。当ブログを活用して頂ければ幸いです。

言葉

Posted by モル